2026/10/04
十一面観音(じゅういちめんかんのん)は、仏教の観音菩薩の一形態で、頭上に十一の顔を持つ像を指します。前面の三面は慈悲、左の三面は怒り、右の三面は歯をむき出した忿怒相、後ろの一面は笑い、頂上の一面は仏の顔とされ、あらゆる方向の衆生を救うとされます。十一面とは、十地(悟りの十段階)と無上正等覚(仏の悟り)を象徴するとも説かれます。天台宗や真言宗では、厄除けや延命、病の平癒を願う修法「十一面観音法」の本尊として重んじられ、奈良の薬師寺や京都の清水寺の本尊もこの観音です。日本では七世紀以降、広く信仰を集めました。